テーマパークは格差拡大の傾向に 最近の東京ディズニーリゾートの戦略
2018/08/19
東京ディズニーリゾートの15年度の入園者数が前年度比118万人減の3019万人だったとオリエンタルランドから発表がありました。
TDRの入場者数の推移を見てみると10年前の2006年が2581万人。
15年度は10年前より17%の増加となっています。
しかし前年度比118万人減ということは何か原因がありそうです。オリエンタルランドは減少の理由について、夏の猛暑などで客足が鈍ったことを挙げていますがそれだけではなさそうです。
入園料の値上げ
ひとつには、入園料の値上げがあると思います。
パスポートはここ3年連続で値上げされています。今年の4月からはワンデイパスポートが7400円になりました。年間パスポートは63000円。
ワンデイパスポートは10年前5800円に対して127%、一方年間パスポートは140%です。
入園料は5千円ぐらいのイメージが強いです。それが今は7千円以上ですから高い感じがします。それが入場者数に影響している可能性は十分にあります。
リピーター重視の戦略か
さらに経済評論家の平野和之氏によれば、入園料の値上げによる入場者数の減少はオリエンタルランドも織り込み済みの可能性もありそうです。
平野氏の言葉を引用すれば
「言ってしまえば、お金持ちは混雑が嫌い。施設側としては安定してお金を落としてくれる人たちが、ストレスなく過ごせるようにすることが大切なんです。それに、たとえば年間パスが18万円になったとしても買う人は確実に買う。その結果、購入者が3割減ったとしても、全体の売り上げは上がります」
リピート率95%以上といわれるリピーターがいるからこそできる戦略でしょうか。
確かに最近のイベントはリピーター重視だと感じることも多いです。昔はゆったりしたキャッスルショーがあり、ワンデイの人も一日でそれを楽しむことができました。
しかし最近はキャッスルショーも減り、パレードも何回も見なければ全部を楽しむことができないような構成が増えました。ワンデイはますます足が遠のく傾向にあります。
ディズニーリゾートも『お金持ちだけが楽しめる夢の国』になってしまうのでしょうか。